Guide 2.日本酒は何からできていて、どのように作られるのですか?
※この記事で使用しているお写真は三冠酒造様からご提供いただきました。
日本酒、特に純米酒と名のつくものは、とてもシンプルな材料から生まれます。
基本の原料は お米・水・米こうじ・酵母 の4つだけ。驚くほど少ない材料なのに、そこから無限に広がる味わいが生まれるのです。
※なお、純米酒以外では「醸造アルコール」など、いくつかの添加物の使用も認められています。
《日本酒の主な原料》
お米
食べるお米と同じように見えますが、日本酒には「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」と呼ばれる特別なお米がよく使われます。粒が大きく、中心にあるデンプン質がきれいで、発酵に適しているのです。
水
日本酒の80%は水。仕込みに使う水の質によって、味わいは大きく変わります。ミネラルの多い硬水はキリッとした味わいを、やわらかい軟水はまろやかな酒を生み出します。
米こうじ
蒸したお米に「こうじ菌」を繁殖させたものです。これがデンプンを糖に変える“魔法”を起こし、酵母がアルコールをつくるための材料を用意します。
酵母
酵母は糖をアルコールと香りに変える小さな働き手です。フルーティーな香りや、やさしい旨味は、この酵母がつくり出しています。
《日本酒の造り方》
- お米を磨き(精米)きれいに洗います
- 洗った米を蒸します
- 蒸したお米に麹菌を加えて米こうじをつくります
- 酵母を培養して酒母を作ります
- 酵母に米こうじと水と蒸米を混ぜてもろみを作り発酵を促します
- 酵母の力で糖がアルコールに変わっていきます
- 発酵が終わったらもろみを搾り、濾過します。
- 濾過して出てきた液体部分が日本酒となります

《なぜこんなに奥深いの?》
材料はシンプルですが、精米の度合い、水の種類、こうじや酵母の違い、発酵の温度や時間の管理などで、味わいは大きく変化します。だからこそ、同じ「お米」からでも、フルーティーな香りの酒、すっきり辛口の酒、まろやかで甘みのある酒など、個性豊かな日本酒が生まれるのです。
《まとめ》
日本酒は「お米と水」から奇跡的に生まれるお酒です。
そこに人の知恵と自然の力が合わさり、世界に誇る豊かな味わいをつくり出しています。
次回は「精米歩合って何?」について、わかりやすくご紹介します。
※この記事で使用しているお写真は三冠酒造様からご提供いただきました。